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    ≪紐解きタイム≫

@「バリアフリーの旅を創る」著者:高萩徳宗 氏 ●紐解きタイム(平成18年3月23日)

6年前の2000年にトラベル・コーディネーターとして著者が歩んでこられた実体験を基に出版されたこの本は、すでに読まれた方々もたいくさんいらっしゃると思います。しかしながら今なお 旅・観光・お客様を受け入れる施設側にとって、たいへん貴重な提言のある優れた一冊との思いで、今回紐解きをしてみました。

『第二章 こんなところにバリアが−検証・日本の旅』の中に、インターネット「旅の窓口」に学ぶ という項目があります。たくさんの《泊まったことのある人の話や感想》を掲載するこのサイトには、信頼できる知りたい情報がある、と記載されています。
で、な なんと「旅の窓口」を運営していたマイトリップ・ネットを100%子会社化すると平成18年3月、楽天が発表してました…巨額の資金を出しても惜しくない、ほんとに有効な欲しいサイトなのでしょう。世の中は確実に動いていますね!

くまもと女将ネットの各施設にとっては、特に『第四章「気づく」ことから始まる−受け入れ側へのヒント』が必見の章です。できないことをはっきりさせ、サービス業の基本に徹することの大切さ、情報開示…日本旅館への苦言と提言 等などの項目があり、目からウロコ?、共感や反発など心に響く章となるでしょう。
『終章 なぜ、障害を持つ人と旅に出るのか』では、誰もが気軽に「旅」に出られる環境がきっと訪れると信じ、若い人も高齢者も障害があってもなくても誰もが暮らしやすい社会で皆さんと旅を楽しみ続けたい、と結んであります。

この本から、誰もが暮らしやすい社会創りの提案を強く読み取る事が出来ます。このことは「くまもと女将ネットのグランドデザイン」も同じで、各施設が「お客様に快適に過ごしていただく」という基本に徹し、お客様に選んでいただく為の徹底した情報開示が必要と感じました。そしてその責務の一端を事務局は担っていると猛省しているところです。


Aかたつむりがおしえたくれる共著:赤池学氏・金谷年展氏●紐解きタイム(平成18年4月6日)

平成17年度九州発見塾にて拝聴した赤池氏の講演をきっかけに、氏の著書に興味あり。題名に引かれてこの本を読み出しました。理学や科学のカタカナ用語は専門すぎてよく分からない…年の功?で言わんとする内容を読み取る?!ことにしてざーっと読み進む。(著者の先生方にはm(_ _)m)

副題「自然のすごさに学ぶ、究極のモノづくり」
序章:新たな、モノづくりのパラダイム ネイチャーテック 第1章:土に学び、土を活かす 第2章:水に学び、水を活かす 第3章:生き物に学び、生き物を活かす 第4章:人に学び、人を活かす 第5章:歴史に学び、歴史を活かす 終章:科学者よ、技術者よ、そして経営者よ、ネイチャーテックのドアを開け!

この頃ナメクジは多いけどカタツムリは少なくなった等と思いを巡らせ読み進むうちに、ひんやりとした蔵の中やタタキの感触など記憶にある私など、えーっ!?そういうことあり?!ホント!!
一例に「手をかざせば自動的に水道水が出るあの小さな蛇口が、自家発電装置内蔵なんてオ・ド・ロ・キ!」等など一企業の取組みを例に書かれた本だけれど「私だけが知らないのかしら?」「日本って捨てたもんじゃない!」「自然に対する洞察や謙虚さが次のステップUPに繋がってモノ創りに活かしているじゃない」「真の豊かな暮らしの実現を願っているじゃない!!」
漠然とですが、読み終える頃には「日本の未来は明るい!」と真から思うようになりました。

ところで、読書が苦手な方には、ここだけの話し、この著書の一部分ですが http://inax.co.jp/eco/ 「水のはなし」「土のはなし」 http://inax.co.jp/eco/digest/r_d/index.html で観ることができます。
                                       


B「傾聴」話し上手は聴き上手 著書:鈴木絹英 氏 ●紐解きタイム(平成18年5月15日)

 あの一言が…感動や嫌悪など様々な感情を与えてしまう話し言葉はコミュニケーションにとってかけがえのないツール。日常他人様と接するサービス業にとって「一言」が諸刃の剣ともなってしまいます。
さりげない言葉掛けや聴き上手話し上手の当会員・女将さん方と話す機会が多い事務局にとって、この著書の紹介は不要かとも思いました。
しかしながら、今後日本で「傾聴ボランティア活動」が活発になりそうですし、実践的ノウハウが満載の著書で本業の再確認に役立つのではと感じました。
はじめに:「聴き方」しだいで人間関係は決まる 第1章:会話術とは「聴く技術」のこと 第2章:あなたの会話これだけの誤解 第3章:言葉、しぐさ、表情…心をつかむ「聴く技術」 第4章:何げないこんな会話が嫌われる 

事務局は、女将さんのイメージに「会話上手のプロフェッショナル」があります。何故ステキなのか、何を真似たらよいのかが、この著書を通して少し理解できたように思いました。

                                   

Cサービスの教科書 著書:高萩徳宗 氏 ●紐解きタイム(平成18年5月30日)

今年3月、「バリアフリーの旅を創る」をご紹介した高萩氏の、この著書に出会ったのは半年前。早くお伝えしたい一冊ですのに、なかなか要約が出来ません。m(_ _)m 全ページ一語一句が、サービス業をナリワイとする方々の必修本…この著書のタイトルがマサにぴったりなのです。
帯には『サービスの哲学と実践がよくわかる:サービスは「値引き」でもなければ、「おまけ」でもありません。利益度外視のご奉仕サービスは、スタッフを苦しめ、お客様の足を遠のかせてしまいます。本書では、独りよがりサービス、無意味なスローガンと化しているサービスを斬り、利益を生むサービスの実現方法を、わかりやすく伝えます。』と記載されております。

はじめに 第1章:サービスの本質とは、一体何か? 第2章:お客様の「ほしい瞬間」を検証する 第3章:サービスにもマーケティングがある 第4章:サービスを提供する「こころ」とセンス 第5章:サービスレベルを引き上げる「クレーム対応」 第6章:利益を生むサービスを確立する法 第7章:サービスセンスを磨く5つの方法

読後の感想は、目からウロコ!でした。サービスの意味を勘違いしていたと深く反省中なのです。

                                   

Dデタラメ・あきらめ・いい加減 著書:ひろさちや 氏  2005年9月初版 ●紐解きタイム(H18.7.4)

 昨年秋、久しぶりに街へ出て時間潰しに入った大きな書店で、「オイデおいで」と手招きされるように行った書棚に、目にした著書の名前は、歴史雑誌などでよく見かけ、モノゴトの捉え方等結構好きなタイプ。題を読むと!?仏教に学ぶ幸せな生き方…なのにパラパラめくる頁のタイトルが!???
ずいぶんと思い切ったタイトルに、真面目か不真面目か?難解なようで分かり易いようで?冗談じゃないっ、いやそうかも、思わず手にとって読み進み…購入へ。全部が全部信用した訳ではないのに、妙に気になって、事あるごとに何度か読み直している一冊なのです。
めっぽう気になる目次を記しておきます。

T世間虚仮(せけんこけ) 第1章:世の中の役に立つ人間にならなくていいのですよ 第2章:まず世間を馬鹿にすることからはじめましょう 第3章:けれどもあからさまに世間を馬鹿にしてはいけません 第4章:では、なぜ日本人は世間に迎合するのでしょうか? 第5章:道徳なんて、馬鹿にしたほうがいいのです 第6章:愛国心もまた、うさん臭いものですよ 第7章:釈迦が教えたのは「自灯明・法灯明」でありました 第8章:世間を無視したりすれば、エゴイストと言われる心配もありますが…
U少欲知足(しょうよくちそく) 第9章:人間は、自分が所有するもので満足できないと、餓鬼になります 第10章:人間を欲張りにさせる悪魔がどこかにいます 第11章:「働きたくない」という欲望が、いちばん人間らしい欲望です 第12章:働くのが好きであれば、だらだらと働くようにすべきです 第13章:もういい加減、競争の馬鹿らしさに気づいたらどうですか… 第14章:欲望を充足させると幸福になれるというのは、悪魔の思想です 第15章:会社べったりの生き方が、これまでの日本人の生き方でした
V青色青光(しょうしきしょうこう) 第16章:人生は「無意味」だとしっかり認識しておこう 第17章:自由への第一歩は、あるがままの自分を肯定することです 第18章:自分を肯定した次は、しっかりと他人を肯定しましょう 第19章:お金にしても病気にしても、ほとけさまからの預かり物です 第20章:ほとけさまはデタラメです。そして人生は「空」なんです 第21章:思うがままにならないことは、思うがままになりません 第22章:人生の旅はいい加減にやるのがいちばんいいのです

一例ですが、四苦八苦の「苦」は苦しいといった意味ではなく、「思うがままにならないこと」を意味していて、お釈迦さま曰く「苦にするな!=思うがままにならないことを、思うがままにしようとするな!」⇒あきらめよ:ギブアップ断念のあきらめではなく「明きらめる」=自分の思うがままにならないことではないことを、しっかりと明らかにする…読後、いつも妙に納得し、優しい気分でいる自分に気付いた一冊でした。
                                   

E日本一多くの木を植えた男 宮脇昭
NHK知るを楽しむ この人この世界 2005年6・7月放送分テキスト ●紐解きタイム(平成18年8月7日)

たまたま見たテレビ画面に釘付けになったことはありませんか?それがNHK教育テレビの番組だとほぼテキストがあります。再放送やリクエストなどで放映された場合に、テキストが欲しいと思っても後のマツリ、ではありません。NHK出版のサイトから在庫確認や購入が可能でしたよ。
昨年ですが、偶然「森が災害から守ってくれた〜阪神・淡路大震災の現場から」という放送を見て、どうしてもこのテキストを読みたくなってしまったのです。徹底した現場主義を貫き、台風にも地震にも火事にも強い、いのちを守る本物の森創りに情熱を注ぐ「宮脇メソッド」は、その土地に合った樹種を混植・密植する植樹法との事。
今年のように、春先の干ばつ、梅雨後半の集中豪雨、酷暑、幸いにして熊本では大地震に見回れていませんが、いつ何時…天変地異の災害を最小限に食い止める方法の一つとして、この森つくりに感じておりました。
地球温暖化が加速されている状況でもあり、身近に出来るかもしれない森つくり…1m幅の敷地があれば本物の森がつくれるなんて思ってもみないことでした。現実に災害跡地に生残った木々が果たした防火の役目を見ると、植樹法にも様々な学説があるようですが、私には宮脇メソッドを実践したいと強く思うようになっております。

第1回:ホンモノの森、ニセモノの森 第2回:鎮守の森はタイムカプセル 第3回:目で見、匂いをかぎ、舐めて、触って調べる 第4回:私が初めてつくった森 第5回:完成!「日本植生誌」 第6回:森が災害から守ってくれた〜阪神・淡路大震災の現場から 第7回:世界に森をつくる 第8回:本気になればできるんです

                                   
Fサービスの達人 著者:中谷彰宏氏
2003年7月初版(発行:東洋経済新聞社 価格:1500円+税 ●紐解きタイム:平成18年9月11日

この本の帯に、『サービスとは、心のとげを抜くことだ。不満をたちどころに満足に変える9人』とあります。また「まえがき」に『成功する人の共通点にはサービスの精神があり、サービス精神のある人のまわりには人が集まる』との事。9名の達人達のインタビュー録は十二分に読み応えがあり、夫々の生き方に共鳴と感動の連続でした。しかしながら昨今の社会構造の流れがあまりにも速い為、たった3年前に出版された本ですが、それぞれの達人の現在も知りたいとインターネット検索しながらの読書でした。

第1章の三宅美佐子氏は、「女将塾」塾長として女将を育成する新しいビジネスモデルとしてNHK連続ドラマの舞台ともなり、何となく知っているつもりでした。2004年8月にはこの塾を独立法人化し、経営者としての女将を派遣することにより 全国の旅館や飲食店をあらゆる方面より支援しているとの事。「女将塾」に詳しく掲載されております。

第3章の木崎茂雄氏の項には、商店街の生残り策のヒントがたくさんあると感じました。(巣鴨地蔵通り商店街公式HP)検索する中で、気になった部分、巣鴨地蔵通りに持ち上がった地上14階建てのマンション建設計画はどうなったのでしょうか?阻止を求める商店街を応援したいもの!
熊本でも例外なく商店街がシャッター通りになりつつありますが、おばあちゃんの原宿・巣鴨商店街では、商店だけでなく巣鴨に根付き、高齢者をうまく取り込んでいることを感じさせる信用金庫ありとの事。キャッシュカードによる盗難被害を避けるために、合言葉を使わないと、預金を引き出すことができない口座「盗人御用」を商品化した巣鴨信用金庫で、ATMの手数料が、365日いつでも無料や、住民票、印鑑証明などの自動交付機の店頭設置(一部店舗のみ)、年金受け取りの無料宅配サービスなど…。商店街というよりも高齢者のニーズを地域全体で汲み上げ、それがお客様を虜にしているようです。

第4章 井門隆夫氏は今年東京で開催された第17回「全国女将サミット」にて≪「団体旅行」から「個人旅行」へ≫分科会を担当されていました。なかでも個人旅行化に対する解決策として記された部分を少しだけご紹介しておきます。≪…解決策はただひとつ。社員一人当りの売上を上げる工夫をする。すなわち、生産性を上げていくしかないのです。旅館業の生産性は、主要産業のなかでも低い部類(一人当たり1千万円未満)に属します。これは、サービス提供に対する対価が少ないか、金額の割にサービスが多すぎるためではないでしょうか。料亭で会席料理を食べるのと同等か少し足したような金額で、温泉にも入れ、泊まれ、一日滞在できるのです。しかし、競合が多いので営業コストがかさみ、結果として儲からない業種になっているような気がします。…≫
詳しくはツーリズム・マーケティング研究所⇒主任研究員⇒コラム を、ぜひご覧ください。

第7章 高萩徳宗氏は、このコーナーにても「バリアフリーの旅を創る」「サービスの教科書」をご紹介している方です。

目次
まえがき 第1章:「マニュアルを下さい」という発想をすてよう。三宅美佐子(「女将塾」塾長・城崎温泉「銀花」女将)
第2章:苦情は20年間話し続けられる。小山甚一(コヤマドライビングスクール代表)
第3章:サービスとは、心のとげを抜くことだ。木崎茂雄(巣鴨地蔵通り商店街振興組合理事長)
第4章:大きな不満を解決するより、小さな我慢を解決しよう。井門隆夫(ツーリズム・マーケティング研究所主任研究員)
第5章:自然にあいさつできて、自然な笑顔ができる人が成功する。右近藤吉(右近サービス社長)
第6章:日常生活を変えれば、サービスは変わる。松井繁(福繁観光・ハミルトングループ代表)
第7章:「できるか、できないか」では、サービスはできない。高萩徳宗(ベルテンポ・トラベル・アンド・コンサルタンツ代表)
第8章:間違うことを前提に考えるのが、サービスだ。吉田武彦(ビジョンメガネ取締役)
第9章:失敗したら改善する。成功しても改善する。丸山裕(ウェスティンリゾートグアム総支配人) あとがき

                                   
G「教育の力を取り戻す」 文芸春秋11月臨時増刊号 
2006年10月発売 (発行:文芸春秋 定価1000円)
脳科学者?!NHK・TV番組プロフェッショナルの司会者・茂木健一郎氏の司会ぶりやコメントに、この頃たいへん興味を抱いていました。 テレビの中で茂木氏曰く(※うろ覚えなので正確に述べることができず残念)「〜成功者と言われる方々の多くが、最後の決断を第六感に委ねている〜、第六感は脳を最大限活用して瞬時に弾きだした究極の直観力です〜」…脳科学って何?だったのです。
書店に積まれた雑誌の表紙に「師弟座談会 養老孟司×布施英利×茂木健一郎」が目に留まり即購入。話せばわかるなんて大うそ!でブレイクした「バカの壁」の著者・養老先生の愛弟子なのですね、読まないうちからなんとなくナットク!
養老先生の著書「バカの壁」の一節に《わかっている」という怖さ:「常識」=「コモンセンス」というのは「物を知っている」つまり知識がある、ということではなく、「当たり前」のことを指す。ところが、その前提のことについてのスタンスがずれているのに、「自分たちは知っている」と思ってしまうのが、そもそもの間違いなのです。…》
そうなのです。タイトルが愛弟子となっていましたので、茂木氏は東大医学部の出身だと思ってしまったのです。違いました。「脳とクオリア」で養老先生に注目され、「押しかけ弟子」と自称されていたのです。やはり、より正確な情報を収集してから判断するべきなのですね。
『「養老教室」へようこそ』のタイトルで始まる座談会では、大学院時代に東京芸術大学から東大医学部に講義を聴きに来て、そのまま助手になられた布施氏が、当時養老先生から言われた言葉として《「何でもいいから勝手にやりなさい。」(ノーサインの先生)、「学問は個人芸だから、師匠とか弟子というものはない。」、人生の分かれ道で二つの道(一つは安全で先が見える)がある場合は「必ず危ないほうを選べ」」》を紹介されていました。
この座談会は110〜118ページに記載されておりますが、他にも三組の特別対談、民間人校長連続インタビュー&ルポ、その他様々な方々の「教育」に対する真摯な提案がたくさん掲載されています。
巻頭エッセイの内田樹氏「教育崩壊と経済合理性」の中で、《〜今の日本の大学生は、世界の若者たちと比べても、最も低い大学生〜これが戦後何十年かに及ぶ私たちの教育的努力の「成果」である。教える側も教わる側も全力をあげて学力低下をめざしているのでなければ、このような事態は招来されない。〜》と記され、その理由にナットクせざるを得ません。
この文藝春秋増刊号は、終戦直後に生を受け、戦後復興の中で生きてきた自分自身を省みて、何がよくて何が足りなかったのか、これから成すことを考える糧になる一冊となりそうです。

                                                     
H「お金で買えない商人道」「拝見・武士の家計簿」「江戸の教育に学ぶ」

NHK知るを楽しむ:歴史に好奇心 2006年6・7・10月放送分テキスト

皆が律儀とか正直とか真面目さを善とした心の上に成り立っていたのが日本人のはずなのに「何故」…
これらの疑問に自分なりの回答を引き出せる学びの場として、木曜夜10時25〜50分または早朝5時5〜30分(再放送)のNHK教育テレビはたいへん役に立つ番組です。
テレビなど忙しくて見られない方々には、これらのテキストがたいへん役立つ一冊となります。幾度も読み返したりすることもできますし、史実と比べながらの時代劇観賞はこれまでと違った見方ができるでしょう。
       ◆
「お金で買えない商人道」
 このテキストで藤本義一氏は、「商人道からはずれたビジネスは成功しない」という氏の主張をわかりやすく述べられています。テキストの最後に「商人にとって大切なものは信義。それは昔も今もかわりません。今、その商人の魂は守られているでしょうか。『カネで買えないものはない』などという考えが跋扈(ばっこ)していないでしょうか。今こそ『損して得とれ』『商いに三法あり』といった商売の原点に戻るべきだと私は考えます。」との事。忘れてはならない日本の心根を学べる一冊です。

「拝見・武士の家計簿」
 古文書を丹念に調べることから導き出された磯田道史氏のテキストでは、江戸時代の身分制度にしばられた武士を家計簿を通した視点で分りやすく解説してあります。一括りにできない様々な階級の武士がいて、その暮らしぶりは大半「武士は食わねど…」が日常茶飯事であった事。
江戸時代多くの武士が、その身分を維持するために、歯を食いしばって赤貧にあまんじた暮らしぶりであったこと等を知ることが出来ました。

「江戸の教育に学ぶ」
 江戸時代以前の読み書き学習が手紙文によっていたことから「往来」(手紙文の往復)とよばれていたそうす。南北朝時代から明治十年まで五百年以上もの間写本され続いた、25通からなる「庭訓往来」は最も知られた往来物だそうです。
職業別の往来物が登場するのは元禄期からで「商売往来」が先駆となり、商取り引きに必要な言葉や商品の名称、そして勤勉・正直・倹約といった基本的な商人心得に触れて結んでおり、それ以後に多大な影響を与えたそうです。これらの「往来物」には、社会・風俗・生活・文化など、あらゆる事柄に関する記述が含まれているそうです。往来物研究家である小泉吉永氏によると刊本・写本を合せた往来物が数万種類に及ぶのでは、との事。テキストで「〜江戸時代の子ども達は、大人の仲間入りをするまでの間、様々な人々との重層的な関係や集団の中で育てられたのであり、そこには、大勢の人間が深く関わって一人の子どもを育てていく、網の目のような教育システムがありました。〜」「〜江戸時代は、大人も子どもも学ぶことにとても貪欲でした。〜」
43〜48ページ『親の心得を強調した「浜庇小児教種」』は、現代にも十分通じる内容を含んでおり、一読をお薦めの項です。
様々な往来物に込められた先人の思いや生き方、精神は、日本人の文化・誇りを思い起こさせ、現代の教育にもおおいに活用出来るのではないでしょうか。
       ◆
 現在の日本人がマトモでないと政治家の先生方はお考え故に、近々教育基本法が見直されるのでしょうか?戦後61年間、何が悪かったのでしょうね。古来から受け継ぐ日本人の素晴らしいDNAを、ぜひ活かす国創りを!と願ってしまうこの頃です。
                                                     
I「熊本・観光文化検定公式テキストブック」
発行:熊本商工会議所 2006年9月初版 定価:2,000円+税 ●紐解きタイム:平成18年12月13日

11月発行のくまもと女将ネットニュースにて熊本観光文化検定の紹介をしていますが、このコーナーでは検定公式テキストブックを取り上げてみました。
 9月初版ですが、10月には3版増刷ということは、来春検定を受検する方が多いという事でしょうか。
もうすでに熟読されている方がたくさんおられるかも知れませんね。
        ◆
 近年慣れ親しんだ名所旧跡や市町村名も平成の市町村大合併で変わってしまい、観光スポットや交通アクセス、案内等に支障をきたす状況となっておりました。このような時節柄、熊本県内に特化した観光文化方面を懇切丁寧に網羅した本の発行は、県内の観光関係の方々にとってたいへん役立つのではないでしょうか。
        ◆
 発刊にあたっての中で、『…まず住んでいる人が、本物の輝きをよく知ること…知ることは愛することの始まり…ふるさと・くまもとを新発見する中でふるさと愛が膨らむ…「ふるさとを学び知りましょう。」』と呼掛けられています。また、くまもとの歴史を大まかなうねりで把え、主要時代のタイトル(目次)となっており、学びがいのある一冊となっております。


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